2024年4月23日火曜日

2024年度出前講義について

2019年度以降、私は出前講義を行っていなかったのですが、今年度は久しぶりに高校生を対象とした授業を出講しています。高校生の皆さんと直接お話できる機会、私も楽しみにしています。

私の担当は「古代日本語論」です。日本語学の中でも日本語の歴史や変遷について研究する分野となります。言語学の一分野に位置付きますが、扱う資料の時代・特性から日本文学や日本史学、またメディア史の分野にも関連する内容を含みます。さらに、この授業を通じて、高校生の皆さんとは所謂「文系」の学問の意味についても、一緒に考えてみたいと思っています。
 
私が提供するのは、古写本(おもに鎌倉時代の書写本)に触れつつ文献の読解・分析を行うワークショップ型の授業です。単に「昔の文字を読む」ということを目的とするのではなく、教科書とは異なる姿で「古典」を感じてもらい、活字では見えなくなってしまう「言葉の面白さ」に気づく授業を行います。授業についてのご質問、また「このような授業をしてほしい」という提案など、事前相談も歓迎します。本ブログのお問い合わせフォームからお知らせ頂ければ、こちらからご連絡差し上げます。

○講義タイトル:写本で読む古典

「講義の概要」および「申込み・問い合わせ」は以下のリンクでご覧ください。
(新潟大学HP)2024年度 新潟大学出前講義一覧:「人文学部」

2024年3月21日木曜日

卒業論文題目を更新しました

 磯貝研究室の卒業生、修了生が取り組んだ研究論文のタイトル一覧をご覧頂くことができます。
 
「磯貝研究室について」→ 具体的な研究テーマにはどんなものがあるのか

今年度のゼミ生たちが対象とした時代は、奈良時代から室町時代後期まで。平仮名文、漢字片仮名交じり文、和化漢文など様々な文体、文献を用いて日本語の歴史の一端を明らかにしています。対象とする事象も語彙・表記・用字・文法等、それぞれの興味関心に応じてさまざまに展開しています。

2024年3月20日水曜日

ゼミ旅行2023

 今年度、最後のゼミ活動となるゼミ旅行を行いました。
行き先は月岡温泉です。毎度のことですが、授業外の活動ではじめて知る姿も多く、ゼミ担当者としても勉強になった二日間でした。なにより3年生と4年生とが普段とは異なる形で交流を深めることができたのが楽しさのひみつかと。
大学前から温泉旅館のバスで

2024年3月5日火曜日

講話(中越国語教材を読む会)

新潟県内の中学校、高等学校の先生方と行う小さな研究会です。講話としてありますが、実際には私が話題を提供して先生方とのディスカッションで進めたいと考えています。

さまざまなジャンルに亘る「国語」教材は、「言語」によって媒介されるものです。当たり前のようですが、案外このこと自体は問われない。「言語」が授業の文脈で登場する際も、重要語句、必修文法、古文常識といった覚えるべき事柄として扱われることが多いと思われます。しかし、私たちが至り着きたい「中身」に近づく前に(あるいは近づき、至るために)、それがどのような言語で記されているのか、またどのような言語と考えればよいのかという「言葉の価値」について、考えることは重要な思考のプロセスではないでしょうか。

また、こうした視点から教材を見る限りは、現代/古典、実用的文章/文学的文章etc.といった「分類」に関わらず、現代の学習者が教材と向き合う糸口を見出すことも可能になると考えています。そして、こうした言語の学習は、「中身」に至る前提としてあるわけではなく、「中身」を考えることと同時に行われるものである、といった内容を具体的な実践を示しつつお話しする予定です。

(このお話のベースとなる研究は、JSPS科研費22H01005の助成を受けています。)

 
【発表者】磯貝淳一(新潟大学人文学部)
【題目】学習者と古典を架橋する「言語観の更新」を促す教材の開発について
【参加研究会】中越国語教材を読む会
 

注目の投稿

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