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2020年6月30日火曜日

わたしのオンライン授業

今年度、新型コロナウイルス感染拡大により、新年度は4月20日スタートとなりました。現在でも、一部を除く授業の殆どが非対面型で行われており、学生のみなさんとはオンラインで交流する日々を過ごしているところです。この度は、どのようにオンライン授業を行っているのかという話題など。

  • 講義形式の授業
今期はより専門度の高い「発展演習」(隔年開講)を担当しています。受講生は50人程度。これは予め撮影している動画を配信し、受講生に視聴してもらう形(オンデマンド)で行っています。動画と言っても、パワーポイントのスライドショーに声を被せた解説動画(私の表情や動きを見せるため、ワイプで画面端に姿は見せている)ですので、通常の講義と大きく変わるわけではありません。ただ、やはり受講生の反応を得ながらのお話とは異なるため、一回一回の講義における「問い」と「主張(答え)」が明確な道筋として提示され、理解してもらえるような工夫が必要だと痛感しています。

授業後は、リアクションペーパーの提出に代わるものとして、本学のLMS(学務情報システム)にコメントや課題をアップしてもらい、次週の授業でフィードバックを行います。

さて、これまでの講義は、その場の話題(反応)によって、話があっちに行ったりこっちに行ったり、ということが起こり、むしろそれが授業の深まりとして面白かったりもしたのですが、そうしたことを期待することはできません。そうした意味では、これまでの講義は「話しことば的」に開かれたもので、オンデマンドの講義は「書き言葉的」に整えられ閉じたものと言えるかもしれません。

  • 演習形式の授業
1年生(人文初年次演習)、2年生(日本言語文化実習)、3・4年生(日本言語文化演習)とそれぞれに対応した授業を担当しています。基本的にすべて同じ流れで行い、授業開始当初数回の私のレクチャーの後、担当者の発表となります。資料は発表者が事前に本学のLMS内のフォーラム(掲示板のようなもの)にアップ/トピック化し、他の受講生が予め読み込んでトピックにコメントを書き込みます。発表当日は、発表資料の概要を簡単に説明するのみで、コメントに対する回答やその後の討論のみが行われます。発表者は、寄せられたコメントに答えるための補足資料を事前に再アップすることもできます。また、討議の中で追究しきれなかった問題について、授業後に再調査したものを事後的にアップすることも行われています。

こうした意味において、オンライン形式の演習は一回完結とはならず、いくつかの議論・課題が並行的に継続していく形となります。もちろん、通常の対面授業でもこれは全く変わらないことなのですが、フォーラムに書き込むことによって課題が視覚化されることで、課題化がより意識的に行われている印象があります。目に見える記録があることで、過去の議論も呼び起こして再定位しやすい気もします。(通常授業でも当然行うべきこととは思いますが…まあ、有利になるということでしょうか)


講義・演習ともに今ある状況でなんとかする、という中からメリットも発見できるようになってきました。しかし、すべてがこれでいける、という訳ではありません。やはり、授業を共に作るという意味/目的においては、相手の反応が直に感じ取れる距離感での授業を再開したい、と願うこの頃です。



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