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2021年1月28日木曜日

卒業論文発表会2020について思うこと

 今年も卒業論文の提出が終わり、最終段階としての発表会を迎えることとなりました。日本語学・日本文学分野では、2月12日、13日の両日にわたって、オンライン(Zoomミーティング)で行う予定です。オンライン発表会の形式自体も、例年とくらべれば大きな違いですが、今年はそれに加えてさらに変更が加えられました。(詳細については、また別にお知らせしますが)

 それは、発表会を発表者の家族参加(可能)型としたことです。発表会自体は公開ですので、これまでもやろうと思えばできたことではありますが。オンラインの状況であるからこそ、こうした企画はやりやすくなったといえるでしょう。

新型コロナウイルス感染拡大の影響は未だ大きく、発表会もいつも通りには行うことができません。さらに、卒業式や卒業祝賀会も極めて小規模、簡素に行うこととなりそうです。私たちが一番心を痛めるのは、卒業生にとって重要な「節目」が失われてしまうことです。発表会も卒業式も。

卒業論文発表会は、研究の成果を示すとともに、それを元に議論の場が作られますから、学生の皆さんにとっては緊張する場(フルボッコの可能性もある場)としてのイメージの方が強いかもしれませんが、じつはそこはそれ以上に「四年間の学びのあり樣を自覚する場」≑「自分をほめる言葉を見つける場」でもあると思います。これをしっかりとやっておいてほしい、と私は願っているわけです。

発表会から少し話はズレるようですが、卒業に関わる式典についてもやはり同じ事が言えるのだと思います。また卒業生だけでなく、皆さんをバックアップしてくれた親御さんにとっても、そうした区切り、節目は大きな意味を持つでしょう。卒業式で一緒の場を共有して、立派になった姿を見てみたい、と願う方は多かったのではないでしょうか。私たちとしては、オンラインの卒業論文発表会(とそれに関わって交わされる会話)がそれに代わる一つの場になると考えました。

4年生の皆さん是非、御家族に、苦労して皆さんを大学に送り出してくれた方に、自分が四年間で一番頑張った勉強の成果を見せてあげてください。もちろん、日程や時間が合わずに参加が叶わないということも多くあるかもしれませんが、それでもこうした場があることを伝えて頂きたい。そしてそのついでに、自分なりの言葉で「節目」を作って御家族と共有して頂きたいと思います。今年は残念なことに、大学の側から大きく強い節目となる場を提供してはあげられませんが、自分でそれを作ることはできるのだと思います。

 

私自身、苦労を重ねて大学・大学院を出してくれた私の親に対して、そして自分自身に対して、節目とすべき折々に成長を見せることができたか(感謝を言葉にするのと同義です)、忸怩たる思いがあります。まあそうした反省から、皆さんの卒業までの時間が世の中の流れにただ流されるに終わることのないよう、しっかりと次のステップを踏み出すことのできる足場を大学に作っていくことができるよう、願っています。



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