2025年度は、以下のテーマで研究を展開します。僧侶の言語生活に関わる和化漢文(変体漢文)の文体研究について継続的に研究を行っています。今期は科研研究課題に関わり、その対象・観点を焦点化しました。
① 平安鎌倉期における僧侶書記用文体の形成と展開(新規)
[科研費:基盤研究(C)・代表者・2025~2028年度(予定)]
① 平安鎌倉期における僧侶書記用文体の形成と展開(新規)
[科研費:基盤研究(C)・代表者・2025~2028年度(予定)]
直接の研究課題としては、題目にあるように平安鎌倉期における僧侶の文章の文体研究です。その先に大きな目標もあります。日本語は漢字に仮名を交えて自国の言語を書き表す歴史を展開させますが、文体による程度の差こそあれ、漢字から完全に離れる道を選択しませんでした。結果、表面的には影響が見えない事柄にも、見えざる漢字・漢文の影響が生きています。私の研究はそうした日本語書記史の仕組み・展開の様相を平安・鎌倉期の言語状況に見て取ろうとするものです。
② 新潟県における角筆文献言語データ・アーカイブの構築(継続)
[科研費:挑戦的萌芽研究・分担者・2022~2025年度(予定)]
この他、これまでも行ってきた国語教育との連携的研究、教材開発も行う予定です。
個々の研究としては多様な内容が含まれますが、全体の方向は「書かれたものの中に、日本語話者たちのものの見方・考え方の跡をさぐる」という私自身の研究の目的に沿って進むことになります。ここ数年、継続的に考えている課題です。