磯貝研究室について

「ゼミ」とはどのようなものか

このブログでも、ゼミという名称はよく登場しています。いろいろな考え方はあると思いますが、ここでは具体的な授業に関わる集まり(「日本言語文化演習」)をゼミとしています。大学における最も専門的な内容が展開され、学生が自らの研究成果を発表する形式の授業です。このところ、前・後期の金曜日4時限目に行っています。「ゼミの雰囲気を知りたい」「主専攻選択・卒業論文テーマ決めの参考にしたい」という方は見学・体験参加自由です!(事前にメール連絡をお願いします)。

 

なにが研究できるのか

日本語学の中でも、古代から近世にいたる各期の日本語の実態とその変遷の解明が主たる研究対象となります。ひとくちに「日本語の歴史」と言っても、対象とする言語事象、方法はさまざまです。文字/表記・文法・語彙・意味・文章/文体という言語のどの側面を捉えるのか、平安時代・鎌倉時代・室町時代…といった時代性に興味を持つのか、『古事記』・『古今和歌集』・『源氏物語』・『枕草子』・『今昔物語集』…といった個々の作品の特徴に注目するのか。この研究室では、それぞれ異なった入り口から日本語の歴史研究に入った人たちが、ゼミ等で研究を重ねながらテーマを明確にしていくこととなります。

指導教員である磯貝の研究内容についてはこちら(新潟大学 研究者総覧)
Details of a Researcher(Researchers at Niigata University

院政期(1100年代)写の経文:架蔵 これも日本語資料

特に日本語の歴史を、その言語が使用され、書かれた当時の資料に基づいて考える方法論についても実践的に学ぶところに特徴があります。現代の活字化された読みやすい形での文章ではなく、古い時代に書写された原本(一次資料)を調査し読み解くために、研究室に所属するメンバーには、文献調査の基本的な方法を身につけてもらいます。(2年次の段階で「日本言語文化実習A」「日本言語文化実習B」を履修しておくことがより望ましいでしょう。)


研究テーマをどのように決めていくのか

研究に取りかかり始めるのは、標準的には4年生になる前の春休みあたりでしょうか。この時期には指導教員を決定するプロセスがあり、そこで研究テーマと本格的に向き合うことになります(それ以前にテーマを決めて準備に入る人も)。日本語史ゼミでは、3年次の段階から、ゼミで行う共通テーマの研究に加え、各自の研究について考える時間、活動を設けています。自分の興味・関心・必然を探りながら、他のゼミ生と話し合う中で(もちろん、他の授業の学びも含まれます)、研究テーマと呼ぶことができるものが作られていくことになります。ゼミの指導教員にも相談しながら、各自が日本語の歴史研究に進むことになります。

 

具体的な研究テーマにはどんなものがあるのか

日本語の歴史について研究を行うゼミ生たちは、奈良時代から明治時代にかけて、幅広い資料を選択し、それぞれの興味・関心に基づく論文を作成してきました。


    研究室で力を入れていることは

    研究の内容を深く追究することはもちろんですが、自らの研究の意味を常に問い直す姿勢を涵養したいと考えています。言語が人と繋がる働きを持つとすれば、その言語を研究しているその人が、他者との関係をうまくつくれないというのではなんだか寂しい気がします。一生懸命やればやるほど、(それに対して興味の無い)他者との距離は広がってしまう。やはりそこには何かが足りないと言わざるを得ません。磯貝研究室では、自分の興味関心の向く事柄や内容に詳しくなることを通じて、それを追究することの意味/価値を語るための言葉を見つけていけるような教育/研究活動の開発に力を入れています。


    ※ 研究生を希望する方、現代社会文化研究科に留学希望の方へ Graduate student , Research student





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