2017年1月23日月曜日

科研研究会@京都

研究分担者として参加している科研、
の研究会が、1月21日・22日の両日、京都・同志社女子大学を会場に行われました。同志社大学(今出川キャンパス)は、京都御所のすぐ前、鎌倉時代以来の歌道の家である冷泉家と敷地を接しています。私たちが研究会を開催したのは、煉瓦造り二階建ての洋館「ジェームズ館」でした。竣工は1914年!国の登録有形文化財に指定されている建物です。和と洋の技術が見事に融合し、歴史あるレトロな空気感、またアカデミックな雰囲気に包まれた建物・部屋での研究会は、いつも以上に思考が深まり充実したものとなりました。

本科研の研究課題は、古典が文学を学ぶ教材として「読むこと」の学習内容に位置づくことが多い中、日本語書記の歴史の観点から、古典を「日本語話者がどのように思考を深め、それを書いてきたか」を学ぶ、いわば「書くこと」の教材としての可能性を探るものです。 とくに、古典作品の中に様々な形で現れる書記言語の実態が、どのような思考様式と関わりをもつのかを探究することで、それぞれの場や発達段階に応じた学習者の言語観=言葉と思考に対するメタ認知的知識の深まりを促進する学習材の開発を目指しています。現代の書き手が、この学びのプロセスを通して古典の書き手の書くこと/思考を追体験する学習を仕組むことができたら、と考えるわけです。

このような新たな学習材の可能性が、小・中・高等学校の先生たちの授業作りに活かされ、「こんなことをやってみたかった!」というワクワク感を生み出す一助となればと私たちは考えています。



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