2023年2月1日水曜日

デジタルメモ pomera DM250を使ってみた

文章を書く際は、手書き=ノート&ペン、PC=テキストエディター、ワープロソフトといったあたりが私にとっての主要な選択肢です。ここに、キングジムが出している「デジタルメモ」ポメラが加わりました。じつは、十数年まえに二つ折りキーボードで出されていたポメラ(このギミックが格好よかったので)を使い込んでいたのですが、ここしばらくは使っていませんでした。昨年夏に登場したDM250、バッテリー強化その他の機能を更新されたらしく気になっていたのですが、この度導入。このシリーズはストレートキーボードです。
久しぶりのポメラですが、今のところなかなか快適です。
ただ、当初は自分自身で使い方に迷い?があったこともありました。それをメモ的に記してみます。
 
ポメラのよいところは、いつでもどこでもサッとメモを始めることができる、ということなのですが、「それなら軽量PCがあればいいじゃん」という意見も。皆さんのレビューなどを読むと、「ポメラは単機能なのがよい」「PCだとついネットや他の事に気を取られたりする」ということらしく、たしかにこの機械は、キーボードを使って文字を入力するというただそれだけに集中させてくれます。ただ、本体620gは結構重いですし、テキスト入力に特化した機材を持ち歩くのは無駄という気も…出張などは勿論、普段もPCを完全に切り離すことはやはりできません。別持ちになります。

となると、入力・記録のために「わざわざ」この素朴な機械を持ち歩くそれ相応の理由が必要、ということになるわけです(自分の中で)。私が思うに、ポメラの美点は、手書きvsPC入力というニ大勢力の「中間」の働きを担うものであるところ。手書きに比べて疲れないとか早いとか、そうしたレベルの問題ではなく「書くことの本質」の一部に関わる問題にアプローチしたガジェットであると思うわけです。
 
さて、手書きを行うこと多いのは、第一に研究を行う場合、思いついたアイディアや構想レベルの内容は手書きで研究ノートにというパターンが多いです。第二には授業や会議のメモ。自分の文章生産のほとんどを占めるのは、デジタルで書かれたものですが、自分と対話しながら、研究の構想を練っていく際には、手書き文字の感触がプラスに働くことが多いように感じます。近年では手書きの機会も次第に減ってきているようですが、まだまだ重要。趣味の万年筆を使う局面でもありますしね。
 
一方で、授業や会議の記録を手書きで行うは、私の場合PCを持ち込む習慣が一般化していなかった時代の名残のようなものですが、目の前でカチャカチャやられると気が散るという人は今もいるでしょうし、お互いに話をしながらという場面では、PCの画面に集中するのは、何か重要なプロセスを無くしてしまうような危うさも感じます。手書きはその辺が何となくうまく調整されているように思うのは私だけでしょうか。
 
そんな局面でも、ポメラのキーボードを使って行うメモは、比較的手書きに近い感覚でいることができる、対話しつつ記録を残すという活動がより自然に行われている気がします。これは自分自身との対話的なメモでも同じ事で、PCに向かうよりも素直に言葉が出てくる=思考が妨げられることなく画面に現れる、ような…だれかこの秘密を解明してくれませんかね。
 
それ以外にも、素早く楽にという意味では、手書きよりも長いテキストを短時間で記録するというPC入力よりの利点があるのは勿論のことです。

というわけで、またしばらくpomeraを使い込んでいきたいと思います。


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