例年ですと、4月初めに年度初めの目標設定の意味も込めて、研究の年度計画を出しているのですが、今期は慌ただしく過ごしてしまいこの時期になりました。研究も進めなくては。
2023年度は、以下のテーマで研究を展開します。このところ、テーマは継続的なものになっていますが、僧侶の言語生活に関わる和化漢文(変体漢文)の文体研究に加え、ここ数年力を入れている国語教育との連携的な研究を進めています。
① 日本語書記史研究資料としての注釈・論義の文体研究(継続)
[科研費:基盤研究(C)・代表者・2021~2023年度(予定)]
- これまでの研究内容を和化漢文資料中に定位するための考察
- 資料調査研究の継続
② 学びのプロセスと日本語書記史を統合する学習内容・学習材・学習方法の開発と検証(新規)
- 日本語の史的変遷と国語教育を架橋する教材開発
- 新たな古典授業のための教材開発
[科研費:基盤研究(C)・分担者(研究代表者:橋村勝明・広島文教大学) ・2020~2023年度(予定)]
- 院政鎌倉期の表記体混淆文のテキストデータ整備および分析
- 院生鎌倉期の表記体混淆文の文体特徴解明
④ 新潟県における角筆文献言語データ・アーカイブの構築(新規)
[科研費:挑戦的研究(萌芽)・分担者(研究代表者:鈴木恵・新潟大学) ・2022~2024年度(予定)]
- 新潟大学附属図書館佐野文庫所蔵角筆文献の原本再調査
科研中心に見ても、代表者意外に分担者として行う課題も多くあります。個々の研究としては多様な内容が含まれますが、全体の方向は「書かれたものの中に、日本語話者たちのものの見方・考え方の跡をさぐる」という私自身の研究の目的に沿って進むことになります。ここ数年、継続的に考えている課題です。