磯貝ゼミとしては5年ぶりに、卒業論文構想発表会をポスターセッション形式で行いました。以前は恒例行事として、夏休み前のこの時期(7月末)に実施していましたが(過去記事)、数年前から日本語学日本文学分野全体での構想発表となり、ゼミでは通常発表形式としていました。
コロナ禍の生活は、諸活動が縮小する一方でしたが、研究・生活上の交流を盛り上げるべく、この度ゼミの活動を復活させたというわけです。
今年度の4年生メンバーは全部で10名、それぞれが日本語の歴史の一端を明らかにすべく、異なる時代、異なる資料と格闘しています。夏休み前の段階では、まだまだ研究の全体像を見通すことは難しいかもしれません。しかし、先行研究に立ち向かう中で得た自分なりの立ち位置、言語資料に向き合って感じた素朴な疑問や面白さ、そういったものを何とか「研究」の俎上に載せるべく、自分の考えを模造紙1枚に展開しました。
セッションには、ゼミに参加してくれている大学院生も発表者として参加、交流にはゼミの後輩に加えて、分野の教員も参加してくださいました。
2023年度 卒業論文構想発表会「卒業論文仮題目」(順不同)
- 音便の現れ方に見るキリシタン資料の規範性
- 漢語が和語語彙としてどのように受容されたかー漢語サ変動詞の意味用法の変遷と意味領域ー
- 中世の一人称代名詞について
- 平仮名文献における字母研究
- 『色葉字類抄』の収録語彙から見る辞書の性格
- 「死」に関連する漢字の用法について
- 平安・鎌倉期における疑問表現の使い分け
- 平安文学作品における男性評価語彙について
- 仏教語彙が日本語に与えた影響
- 中世王朝物語における漢語受容
発表後は、ほんとうに久しぶりに、前期の打ち上げを実施。「授業外」のゼミメンバーの顔を見ることは、ここしばらく難しかったわけですが、いろいろな人と話をして、たいへん楽しむことができました。