2024年3月5日火曜日

講話(中越国語教材を読む会)

新潟県内の中学校、高等学校の先生方と行う小さな研究会です。講話としてありますが、実際には私が話題を提供して先生方とのディスカッションで進めたいと考えています。

さまざまなジャンルに亘る「国語」教材は、「言語」によって媒介されるものです。当たり前のようですが、案外このこと自体は問われない。「言語」が授業の文脈で登場する際も、重要語句、必修文法、古文常識といった覚えるべき事柄として扱われることが多いと思われます。しかし、私たちが至り着きたい「中身」に近づく前に(あるいは近づき、至るために)、それがどのような言語で記されているのか、またどのような言語と考えればよいのかという「言葉の価値」について、考えることは重要な思考のプロセスではないでしょうか。

また、こうした視点から教材を見る限りは、現代/古典、実用的文章/文学的文章etc.といった「分類」に関わらず、現代の学習者が教材と向き合う糸口を見出すことも可能になると考えています。そして、こうした言語の学習は、「中身」に至る前提としてあるわけではなく、「中身」を考えることと同時に行われるものである、といった内容を具体的な実践を示しつつお話しする予定です。

(このお話のベースとなる研究は、JSPS科研費22H01005の助成を受けています。)

 
【発表者】磯貝淳一(新潟大学人文学部)
【題目】学習者と古典を架橋する「言語観の更新」を促す教材の開発について
【参加研究会】中越国語教材を読む会
 

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